遺産相続手続きや節税の方法を税理士が解説|相続お助け110番

死亡した両親の家に住み続ける姉に立ち退きを要求できる?

被相続人が生前に所有していた不動産に被相続人の子供が住んでいた場合、その不動産の相続人(例えば居住していない子供など)が立ち退きを要求出来るのでしょうか。
このケースのポイントは以下の2点です。

①対象となる不動産が今は誰の所有物なのか

大前提の考えとして、法律的に重要になるのは、権利を主張する根拠がどこにあるのかと言うことです。
被相続人が死去し、まだ遺産分割をしていない場合は、相続人全員、共有状態となります。

②賃貸借契約を結んでいるか

では、さらに内容を掘り下げて検討していきましょう。
被相続人と被相続人の子が賃貸借契約を結んでいるか否かによっても主張は異なってきます。

A.被相続人との賃貸借契約を締結している
借り主は居住を継続出来る
B.無償で住んでいる
居住を継続する事を共有持分によって主張できる

Aの場合は被相続人との賃貸借契約に基づき、借り主は居住を継続できると考えられます。
そしてBの場合は無償により居住していますので、居住者は居住を共有持分によって居住を継続できると考えられます。

そのため、遺産分割前では立ち退きを要求するのは難しいと考えられます。

遺産分割が行われて不動産の所有者が決定した場合

では遺産分割が行われて、ある特定の相続人が不動産の所有者となった場合を考えてみましょう。
この時点では、被相続人が所有していた不動産の権利は、新しく所有者となった相続人に引き継がれます。

つまりAの場合、被相続人と賃貸借契約を結んでいたならば、それはそのまま新しい所有者に継承されます。
Bのように無償の使用許可であればその権利の継続は、新しい所有者の判断となります。

結論として、被相続人によってその子が不動産の使用を無償で許可されていた場合、新しい所有者(別の相続人)から退去を求められた時、そのまま居住を継続することは難しいと思われます。

例えば、両親と同居していて、家賃を払っていなかった長女がいて、遺言書で長男がその家を相続したケースでは長女はその家に住み続ける事が出来なくなる事もあるのです。

居住者に賃料は請求できるの?

居住が認められる場合には、その期間の賃料を請求出来るのかが問題になります。
ここでも、遺産分割が行われるまでは被相続人との無償での使用許可があったと考えられるので、基本的には賃料は請求できません。
言い換えれば賃貸借契約が結ばれていた場合には、賃料を請求することが可能です。

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