遺産相続手続きや節税の方法を税理士が解説|相続お助け110番

介護でもめる相続

介護を要する親とその息子夫婦が同居し、その息子が働いている場合、実際にはお嫁さんが義理の親の介護をすることになるかと思います。相続対策は①分割②納税③節税の順で重要ですが、その分割において、お嫁さんが介護をしたことが遺産争いの火種になることがありますので、事前の準備や心のケアが必要になります。

誰も望まない事態の原因

遺産分割の話合いの当事者となるのは相続人だけです。お嫁さんはこの話合いに加われないにも関わらず、介護を担ってきた為、その思いを伝えようと夫を通して遺産分割に意見しがちです。介護を担ってきた方の精神的、肉体的な負担は、他の相続人には分かりにくいものです。また、親の所有する不動産に同居している息子やそのお嫁さんは、家賃や住宅ローンの負担が無いという点で経済的に得をしていると他の相続人から思われています。お互いの思いを遺産分割のときに『口に出してしまう』と感情的な争いになります。争いの原因が感情的な部分ですと、まとまる話もまとまらなくなり、弁護士が入ったにもかかわらず長期にわたって分割が進まないという、誰も望まない事態になってしまいます。

寄与分とは

どこかで聞いた寄与分という法律用語を使って、お嫁さんの夫が遺産分割の話合いを優位に進めようとすることがありますが、お勧めできません。相続人でないお嫁さんは寄与分を直接主張できませんし、その夫が主張しても他の相続人からは『お嫁さんの指示で動いている』という目で見られてしまいます。親の生前にお嫁さんを養子縁組したり、保険金の受取人をお嫁さんにしたりすれば直接財産を遺せますが、これらを他の相続人に黙って進めるのは、相続後にそれを知った相続人から快く思われませんし、お嫁さんも後ろめたさを感じると思います。冷たい感じのする法律や契約で対処するのではなく、親の暖かい思いを中心に対処することをお勧めします。

解決策は遺言書

お嫁さんの介護の労に報いるのに最適なのは、やはり『遺言書』です。遺言書も法律行為ですが、同時に附言事項として想いを伝える事が出来るからです。お嫁さんの介護の労をねぎらう言葉と、他の相続人に事情を理解して欲しい旨を遺言書に書きつづると同時に、生前その思いを親の口から他の相続人に伝えておくことで、遺産分割という山場を乗り越え、その後の長い親戚付き合いが平穏に進められるのではないでしょうか。

自筆証書遺言が有効となる要件

最後に、手軽に作れる自筆証書遺言が法律的に有効となる為の、4つの要件で本稿を締めくくります。
1 全文を遺言者が手書きする
2 日付を書く
3 遺言者が署名する
4 印鑑を押す
自筆証書遺言を作成する際にも専門家のアドバイスを受ける事は可能ですので、ご検討なさって下さい。

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