遺産相続手続きや節税の方法を税理士が解説|相続お助け110番

本来相続するはずの相続人「法定相続人」がいない場合の「代襲相続」とは

親よりも先に子どもが死ぬほど親不孝な事はありません。
しかし高齢化へと突き進む現代において親よりも先に子どもが亡くなるケースも多くなっています。

その場合、「相続するはずだった人がいない」「誰がどのくらい相続したらいいかわからない」
という事態が起こりえます。

そういった場合に適応する法律が「代襲相続」です。

ここではわかりやすく代襲相続の仕組みについてご説明いたします。
まずは本来相続するはずの相続人、「法定相続人」から理解していきましょう。

 

法定相続人の範囲と順位

【配偶者】
被相続人の夫や妻は常に相続人となります。

【第一順位・直系卑属(ちょっけいひぞく)】
子、子が死亡していれば孫が相続人となります。
養子でもなれます。
まだ出産していない胎児も生きて生まれた場合、相続人です。

婚姻関係にない間の子も認知を受けていれば相続人になります。

内縁の妻は配偶者とは扱われませんので注意して下さい。

【第二順位・直系尊属(ちょっけいそんぞく)】
第一順位の相続人がいない場合は、父母、祖父母などが相続人となります。
養父母も相続人になります。
父母が死亡している場合は、祖父母がいれば、祖父母が相続人となります。

【第三順位・兄弟姉妹】
第二順位もいない場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。
兄弟姉妹が亡くなっていれば、その子(甥や姪)が相続人となります。

「代襲相続人」とは?

相続開始時にすでに法定相続人となるはずだった人が死亡している場合、その法廷相続人の直系卑属(ちょっけいひぞく)である子が相続人となります。

このように相続権を失った人の相続分を承継する制度を「代襲相続」といい、相続権を失った人の代わりに相続を受ける人のことを「代襲相続人」といいます。

読み方は「だいしゅうそうぞくにん」です。

また、本来相続すべきだった人のことを「被代襲者」といいます。

代襲相続が発生するためには、被代襲者が一定の事由(死亡、相続失格など)により相続権を失っていることが条件となります。

被代襲者が、被相続人の子または兄弟姉妹であること、相続開始時に代襲相続人が存在していることも必要条件です。

 

配偶者は代襲相続人になれる?代襲相続人の範囲

代襲相続では、相続人になれる範囲が決まっています。

事例をもとに解説します。

例えば、ある被相続人が亡くなり、その息子2人のうち次男が既に亡くなっているケースを考えてみましょう。

次男には配偶者と子(被相続人からすると孫となる)が2人います。

この場合、直系卑属の子2人に次男が相続するはずの財産が渡りますが、配偶者には財産は渡りません。

配偶者は代襲の範囲外になります。

 

代襲相続人は兄弟姉妹や姪・甥もなれるの?どこまで代襲相続ができる?

次に、相続人が兄弟姉妹となるケースです。

わかりやすく図で見てみましょう。

daishusouzoku_03

今回、×印がついている「長男」が被相続人です。

「長男」には子がおらず、両親もすでに亡くなっています。

そこで次男と三男に相続権がありますが、次男はすでに死亡しており、相続する事はできません。

代襲相続の仕組みにより、次男の子(被相続人の姪・甥)であるAさんとBさんに相続権が発生します。

しかし、もしAさんがすでに亡くなっている場合には、Aさんの子であるC、D、Eへは相続権は移りません。

図の通り、代襲相続は姪・甥までで、姪・甥の子(C、D、E)は相続することは出来ません。

つまり、この例の中でいうと、最終的な相続人は三男(被相続人の兄弟)とBさん(被相続人の姪・甥)となります。

 

養子の子は代襲相続で遺産を相続できる?

直系卑属は永続的に代襲可能ですが、直系卑属ではない場合にもボーダーラインが存在します。
ボーダーラインは養子にも存在し、養子縁組した子が亡くなり親の遺産を孫が代襲する場合に養子縁組した時期が重要です。

例えば以下の家系図事例を参考にして見てみましょう。

daishusouzoku_2_03

今回×印がついている長男が被相続人となります。

次男が養子だった場合に、父と次男が養子縁組前に子が生まれると代襲相続は不可能です。

逆に三男の場合は、父と三男が養子縁組をした後に子が生まれたため代襲相続が可能です。

このように、養子の子が代襲相続人になる場合、「いつ生まれたか」が争点になります。

※ただし、養子の場合、相続がより複雑になる場合があります。
ケースによっては専門家へ相談するなどして自分の場合は相続人が誰になるかを正確に把握しておく必要があります。

 

代襲相続の範囲内であっても代襲相続が受けられない事例

親が家庭裁判所で相続放棄の手続きをすると、代襲相続は出来ません。

代襲で得られる相続分は本来親が受け取るはずの配分になり、相続人である親の受取分が遺産の1/2であれば1/2を自分の兄弟姉妹と分けることになります。

2人兄妹姉妹なら、1人につき遺産の1/4の分配になります。

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