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世帯分離のメリットとデメリット

世帯分離とは

世帯とは同じ住所の一つ屋根の下で生活を共にすることを指しますが、世帯分離とは同じ世帯に住んでいる人間が住む場所を変えずに新しく世帯を別に持つことです。

結婚をした時にどちらか、あるいは両方の親と同居はするけれど生活などはそれぞれ別にする、といった場合にもこれに該当します。

世帯分離を行うことで一つの世帯に複数の世帯主が存在することになると覚えておけば問題はないです。

世帯分離の申請方法

世帯分離の申請をする上で手続きに関して難しいことはなく、住んでいる市区町村役場に行って手続きを行う旨を伝えて、必要書類に記入をして印鑑等を押すだけで手続きは完了します。

細かい申請条件についてはそれぞれの市区町村役場によって異なりますが、同じ住所に住まなくてはいけないというのが共通の条件です。

この手続きはあくまで同じ家の中で世帯を分けることが目的になるので、引越しなどで別の場所に住むのであればこの手続きを行うことはできません。

世帯分離の申請をする前に、メリットとデメリットがあることを知っておくことが重要になります。

世帯分離を行うメリット

まずメリットとしては、保険料の減額が見込める点です。

もし同居している人の中に介護を受けている人がいた場合、一般的に介護費用の自己負担額は世帯の収入によって決まります。

家族の中に高収入を得ている人がいればそれだけ自己負担額も高くなり、長期的な目で見た時に生活に与える影響は少なくありません。

このような場合に収入が高い人だけを世帯から分離することによって、世帯全体の収入額が減って介護の自己負担も減らすことができるのです。

高額介護サービス費の自己負担額

高額介護サービス費の自己負担額は所得に応じて次のように分かれています。

段階 対象者 1割負担上限額(月額)
第一段階 世帯全体が住民税非課税世帯で老齢福祉年金受給者、生活保護受給者 15,000円
第二段階 世帯全員が住民税非課税世帯で、本人の合計所得及び課税年金収入額の合計が80万円以下の人 15,000円
第三段階 世帯全員が住民税非課税世帯で、第二段階以外の人 24,600円
第四段階 住民税課税世帯 37,200円
第五段階 現役並み所得者(同一世帯に課税所得145万円以上の方がいて、単身の場合年収383万円以上、2人以上の場合年収520万円以上の人) 44,400円

世帯分離でメリットがある場合

親の世帯

・父親:70歳(介護サービスが必要)
・母親:67歳

子の世帯

・太郎(長男):世帯分離
・太郎の妻:太郎の世帯

この場合は、親の収入だけで介護費用の負担限度額が設定されるので、負担金額が軽減されます。

世帯分離を行うデメリット

メリットも多い「世帯分離」ですが、デメリットも考慮して申請を行う必要があります。

【世帯を分離を行うデメリット①】住民票などの取得に手間がかかる

次に世帯を分離することによるデメリットですが、何らかの理由で住民票などが必要になった時に、同じ家に住んでいても世帯は別である場合があります。

それに伴い、別世帯の人の分は委任状をもらわないと住民票が受け取れないという手間が発生するのです。

【世帯分離を行うデメリット②】世帯の中に2人以上介護を必要としている人がいる場合

分離によって介護保険の自己負担額を減らす事は可能です。

しかし、もし世帯の中に2人以上介護を必要としている人がいると、同一世帯では、高額介護サービス費などの合算ができますが、別世帯では合算ができない事で結果として割高になってしまうことも考えられるので、注意が必要です。

【世帯を分離を行うデメリット③】国民保険料などの支払いが増えるケースがある

その他にも、生活をする上で欠かせない国民保険料などの金額にも影響を及ぼすケースもあります。

国民保険料の毎月の支払額は収入に応じて異なりますが、どんなに高収入であっても金額には上限が設けられています。

世帯を分離した時に、両方の世帯で高収入の人がいると結果的に保険料の支払う金額が増えてしまう場合もあります。

そのため、手続きを行う前にこれらの点について確認しておくことが大切です。

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