遺産相続手続きや節税の方法を税理士が解説|相続お助け110番
生命保険で節税

遺言代用信託ってなに?

遺言代用信託とは、法人又は個人に財産を信託し生前中は自身が受益者、死後は指定した方が受益者となり財産を受け取る事ができる信託契約です。

具体的な委託先は金融機関で、金融機関は信託を受けた財産を管理運用します。

そして被相続人である委託者が指定した相続人(主に推定相続人)は、委託者が死亡した後に金融機関から財産(遺産)を引き出す事ができるのです。

通常、被相続人が死亡した後、金融機関に預けてある預金は遺産分割が完了するまで凍結されてしまいますので、お葬式や遺品整理などでまとまったお金を用意するのが困難なケースがあります。

しかしこの信託を利用する事で、あらかじめ指定した相続人が遺産分割協議をしなくても遺産を引き出す事ができ、葬儀費用などの突発的な出費の心配から解放されます。

遺言代用信託により信託している財産は死亡診断書、通帳、印鑑、本人確認書類などすぐに取得できる書類の用意だけで引き出せる利便性もあります。

銀行によって異なりますが、預け入れ額が200万円からのところが多いようです。

遺言信託と遺言代用信託の違いは?

「遺言信託」と「遺言代用信託」、名前がよく似ていますが、以下のような違いがあります。

遺言信託

遺言信託
サービス内容 ①遺言作成、保管

②依頼者の死後、相続人に遺産を給付する

③遺言執行者の指定・指定の委託

主な相続人 ・妻

・社会に役立てるための寄付

(法定相続人がいない)

・第三者(相続人以外)

遺言執行者 依頼者が指定できる

遺言代用信託

遺言代用信託
サービス内容 ①生前に資産を運用・管理

②依頼者の死後、相続人が遺産を引き出せるように手配する

主な相続人 自分の子供など

(推定相続人)

遺言執行者 銀行・信託会社

遺言代用信託で節税対策するメリット

【遺言代用信託で節税対策するメリット①】「争続トラブル」を防ぐ役割

この信託は遺言と同じように被相続人の意思を明確にしておくものであるため、この信託された遺産については遺産分割協議の必要がなく遺産相続によるトラブルが少なくなります。

【遺言代用信託で節税対策するメリット②】元本が保証され、管理手数料なし

預けた財産は元本が保証される上、管理手数料がかかりません。

【遺言代用信託で節税対策するメリット③】分割で受け取る事ができる

遺言代用信託では、受託者(依頼人)があらかじめ資産の受け取り方法を指定する事ができるので、年金のように「毎月数万円ずつ受け取る」という指定も可能です。

一括で受け取ってしまうとすぐに使ってしまうかもしれない方には、分割で受け取る事ができる点はメリットと言えます。

遺言代用信託のデメリット

基本的に、信託銀行が扱えるのは金銭のみです。

不動産など他の財産に関しては他の専門家に頼むか、その分の手数料を支払わなければなりません。

また、遺言代用信託では相続税の申告や納税については対象外となりますので、別途税理士などに依頼する必要があります。

【遺言代用信託の注意点】他の法定相続人の遺留分は侵害できない

ただし、信託をしたからと言って他の法定相続人が有する遺留分を侵害する事はできません。

そのため、遺留分を請求されたら遺産の一部を返還しなければなりません。

遺言代用信託と生命保険(終身保険)の違い

指定した相続人に遺産を渡す点は生命保険(終身保険)と似ていますが、生命保険(終身保険)との違いは以下の点が挙げられます。

相続税の計算上の非課税枠はなく、また前述のとおり受益者が遺留分の対象となる相続人より遺留分減殺請求をされた場合は支払い義務が生じます。

支出した保険料は所得税の生命保険料控除に該当し、払い戻された保険金には法定相続人一人につき500万円の非課税枠があるのです。

そのため、税制面では生命保険(終身保険)の方が有利な場合があります。
※ただし払い込み満了前に生命保険を解約すると元本割れしてしまうので注意が必要です。

遺留分減殺請求についても保険金は受取人固有の財産となるため、特別な事情がない限り請求される事はありません。

遺言代用信託と生命保険はどっちがいいの?

状況により異なりますので一概にどちらが良いという判断はできかねますが、高齢者や持病があるなどの理由で生命保険の加入が難しい人は遺言代用信託を利用できますし、反対に加入できる年齢の人は生命保険を利用して節税や相続の準備などを検討すると良いでしょう。
自分の場合どちらが良いか判断がつかない場合、税理士などプロの目線で判断してもらいましょう。

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